無年金障害者の会

無年金障害者の会 

無年金障害者の救済と無年金障害者を生み出さない制度改正を求めています  病気や事故などで心身に重い障害を負ったのに、年金制度の不備などで、障害基礎年金が受けられない。 こんな私たち無年金障害者の実情を知って欲しい、そして何らかの救済の手をさしのべて欲しいと、平成元年(1989年) 「無年金障害者の会」を結成しました。
 本会は、年金制度の谷間で障害基礎年金が支給されない無年金障害者の救済を求めて運動を行っています。合わせて安心して暮らせる年金制度の確立を求めています。

無年金障害者たち

無年金障害者は様々な理由で生まれています

学生無年金障害者 20歳を過ぎた学生で国民年金に任意加入していなかった人
主婦無年金障害者 サラリーマンの妻で国民年金に加入していなかった人
在日外国人無年金障害者 在日外国人で国籍条項により国民年金に加入できなかった人
滞納無年金障害者 経済的理由により国民年金保険料を滞納していた人
無年金障害者 その他障害状態が軽いと評価されたために無年金になっている場合

「皆年金」と言いながら全国で12万人の無年金障害者がいると言われています。
何故こんなに無年金障害者が生まれたのでしょう…?
それは国民年金制度に欠陥があったからです。
しかも、その欠陥を判っていながらこの制度をスタートさせたとすれば、それは大きな問題ではないでしょうか?
年金というと「老齢年金」を思い浮かべるでしょうが「遺族年金」「障害基礎年金」もあります。
皆さまにとって決して人事ではないこの問題! この問題を1人でも多くの方に知って頂きたく思っています。

制度の欠陥

外国人の場合 1982年(昭和57年)の法改正前は、国籍条項があり、在日外国人ついては国民年金に入ることができませんでした。
主婦の場合 1985年(昭和60年)の法改正前は、厚生年金加入者の配偶者(サラリーマンの妻)については、国民年金に加入しなくてもよいとされていました。
学生の場合 1989年(平成元年)の法改正前までは、学生や専門学校生については、国民年金に加入しなくてもよいとされていました。

制度の欠陥で生じた無年金障害者  主婦や学生を国民年金制度から除外したのは、主婦や学生には収入が無いため保険料が納められないからということが理由の一つでした。実際にも、主婦は夫の収入で生活をし、老後も夫の年金で生活をするであろうから、主婦自身に独自の年金はいらないと考えられ、学生については何年かすれば卒業して就職したときに厚生年金等に加入するから問題ないと考えられていました。
 このように国民年金制度から除外されている間に、不幸にも病気や事故で障害を負った場合、その人は一生涯にわたって障害基礎年金を受けることができないのです。

◆学生無年金障害者の場合  学生は、平成3年まで、国民年金法の適用を除外されており、管轄都道府県知事に申し出て加入することが認められていました(任意加入)。そのため、年金窓口では、任意加入の相談に訪れた学生に対し、入らなくてよいとの教示を行なったこともありました。このような政策がとられながら、任意加入をしなかったことが責められるべきことなのでしょうか。
 20歳を超えた学生であっても任意加入をしていれば、障害基礎年金が支給されたということをご存知の方はどれだけおられるでしょうか。今、30歳以上の方々で、大学や専門学校に在学中、任意加入をしていた方はほとんどいないと思います。 広報周知もされてなかったこの制度に、任意加入していた学生は1%だったのです。
◆主婦無年金障害者の場合  主婦の場合、国民年金加入手続きに行っても、保険料納付期間が足りず老齢年金を受給出来ない方には、加入しなくてもいいのでは…とアドバイスされ、未加入でいたときに障害を負い無年金障害者となった方もいらっしゃいます。  これは「老齢年金」しか意識していないことから起きたことではないでしょうか。 「遺族年金」「障害基礎年金」への認識がしっかりしていれば、このようなアドバイスはなされないはずです。

これまでの活動と経過

これまでの活動とこれから  これまで無年金障害者の会では無年金障害者の救済と無年金障害者を生み出さない制度の確立を訴えてきました。署名活動や講演、ラジオやテレビ出演、それに国会などでです。
そんな中、制度の改正が行われ、学生は強制加入とされ申請が通れば保険料滞納特例が認められるようになりました。
 1994年には「無年金障害者の所得保障については、福祉的措置による対応を含めてすみやかに検討すること」という「付帯決議」がなされましたが、その後救済策が講じられることはありませんでした。
 このままでは埒があかないと、学生無年金障害者が一番理解してもらいやすいのではということから学生無年金障害者に絞り、審査請求・再審査請求を、裁判も辞さない覚悟で始めました。これは全国各地に広がり行われましたが、結果は全員棄却というものでした。
 その結果をうけ、2001年7月5日、全国の学生無年金障害者たちが国を相手取り、一斉提訴に踏み切ったのです。  そして2002年8月、坂口厚生労働大臣は無年金障害者の救済案として「坂口試案」を発表して下さいました。内容に関しては訴えていかなければならないところはありますが、これまでの活動がやっと実りつつあると評価しています。  同じ2002年12月には「無年金障害者問題を考える議員連盟」も立ち上げて頂き、無年金障害者の救済に向けて動いて下さっています。

  私たちは全ての無年金障害者の解決と、無年金障害者を生み出さない制度改正を求めて活動しています。 是非、私たちの活動にご賛同・ご支援をお願いします!